こんちわ、クロです🐈
あらゆる稚魚の万能餌『ブラインシュリンプ』
人工飼料の手軽さも素晴らしいですが、成長・生存率を意識するならば、やはりブラインシュリンプです。
観賞魚業界ではブラインシュリンプと言われていますが、水産の世界では「アルテミア」と呼ばれてて、水産現場でも稚魚育成に有用な生き餌。
生き餌といえばゾウリムシ、ミジンコ、色々と手段がありますが、ゾウリムシは小さすぎる、ミジンコは生まれたての稚魚が食べるにはやや大きい、やっぱりブラインシュリンプが最適なのです!!

ブラインシュリンプがやはり一番安定してる!!
ブラインシュリンプを直訳すると「塩水エビ」、この種は高濃度の塩水を好みます、海水の塩分が約3%、コイツの名産地であるソルトレイクシティの塩湖は8~28%、そのため他生物が生存できず生態系の頂点となっています。
故に、この種の卵採取、餌として販売が可能となっています。
今回は、ブラインシュリンプの孵化方法、与え方について解説していこうと思います。
少し手間がかかる作業ですが、慣れれば大したことではないので是非、一手間を!!
ブラインシュリンプの孵化方法


市販されているブラインシュリンプは卵、冷凍、フリーズドライと多岐に渡りますが、最も栄養価が高く、水を汚さないのは卵となります。
ブラインシュリンプの孵化は3%の塩水を作り、エアレーションによって24時間前後、攪拌させることで産まれます。水温は25~28℃が最も孵化率が安定し、その範囲でなくても孵化しないことはないですが孵化率低下が見られます。
日光を受ければ孵化率は上昇、日光がなくとも孵化自体はしますが、やはり照射があるほうが安定する気はします。
長時間攪拌させれば孵化はします、梅雨時期・初夏は常温でも安定的に孵化、その前後では水温に気を配る必要も出てくると思われます。
低温ではヒーター利用、高温では風通しのよい半日陰が良いかと…
ブラインシュリンプは孵化直後が最も栄養価が高い、これは時間経過につれ、成長・生存に体内エネルギーを使用するからです、しっかりと栄養を与えていきたいのであれば、食べさせる分だけその都度沸かす必要があります。
ブラインシュリンプの与え方


ブラインシュリンプは卵から孵化するため、孵化後の殻は容器上部へ、まだ孵化していない卵は容器下部へ貯まることとなります。
エアレーションを止めると容器の中心に生体が集まってきますので、それをスポイトで掬います。
ブラインシュリンプは塩水中で孵化させています、稚魚に塩水は悪影響のため、極力、塩水を残さない形での給餌が必要となります。
こし器で水分を逃がし、ブラインシュリンプのみを与えるのが理想的です。
僕はキッチンペーパーで水分を落とし与えています。
ペーパーに染みこませた程度の塩分であれば、問題なく稚魚は育っています、ただし、水替えサイクルはそれなりに早めです、水替えが遅い場合は塩分が溜まりますので、その点はご考慮ください。
『HATCHER 24』を使ったブラインシュリンプの沸かし方


ブラインシュリンプには「専用沸かし器」が存在します、その名も「HATCHER 24」
水分量に対して、適正な「塩の量」「卵の量」をイチイチ計るのは面倒くさい、まぁ自身で早見表を作れば問題ないのですが、この商品であれば基本的には失敗せず、安定的に沸かすことができます。


容器を組み立て、目盛線の所まで水を入れます。
塩、卵には専用スプーン付属されており、擦りきり1杯入れれば、適量となります。






まず塩を溶かしてから…なんて小賢しいことをする必要はありません。
どうせエアポンプを使って攪拌させるので、塩も卵も何も気にせずぶち込んでオケです!!


適温で24時間、攪拌させ続けると、このように薄茶色の粒々が大量発生します。
これが全てブラインシュリンプです…笑
ただ、下の方にはまだ孵化していない卵や死体なんかもあるので、それはできるだけ与えないように底部の少し上をスポイト吸ってください。




普通は専用の濾し器を使うと思いますが、僕はキッチンペーパーで回収しています。
稚魚に塩分は悪影響ですので、なるべく塩は抜いた状態で与えるのが好ましい。
この手法で、稚魚がおかしくなったことはないので、基本的には大丈夫です。
エサを食べたか食べてないかの判別
稚魚はヨークサックと呼ばれる栄養塊を持って産まれてきます、生後3日間はその栄養素を使ってエサなしで生存します。
産まれたての稚魚は底でじっとしていたり、壁に張り付いたりして、ほとんど動きません。
この間にエサを与えても、食べないことが多く、水を汚すだけなので給餌はお控え下さい、稚魚がエサを求めて動き出した時が食事のサインです。
エサを食べると、腹部の色が変わります。
ブラインシュリンプを食べれば茶色に、ゾウリムシを食べれば白くなります、これで判別できますので食事を与えた際は腹部をご確認ください。



上からでも色が変わっているのはわかるよ!!
稚魚の死因は「餓死」と「水質悪化」の2つが最も大きな要因です、粉餌は食いつきが悪い場合が多く、特に産まれて間もない稚魚の死亡率を上げてしまう恐れが…
食べなかった餌はこまめに回収していきましょう。
水替えの際にも細やか気遣いが必要です、稚魚は水温変化に非常に弱く、水流で弱ってしまうこともあるので、シッカリと同温度に調整し、プロホースを使うなどして少しづつ新水を注ぎましょう。
稚魚が育てられるようになると、金魚飼育の「面白さ」「楽しみ」「奥深さ」をより深く感じることができるようになります。
自ら親魚を選び、交配させ、産卵、孵化、針子を選別し、有望株を愛でながら育て上げ、その子たちがまた卵を産む。
ブラインシュリンプは金魚飼育を味わうための必須項目です、積極的に給餌ください(^^)
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